新国立劇場バレエ団『シンデレラ』(2022年5月1日、新国立劇場オペラハウス)

振付:フレデリック・アシュトン
監修・演出:ウェンディ・エリス・サムス/マリン・ソワーズ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
美術・衣裳:デヴィッド・ウォーカー
照明:沢田祐二
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

主なキャスト

シンデレラ:米沢唯
王子:井澤駿
仙女:細田千晶
義理の姉たち:清水裕三郎、福田圭吾
四季の精:広瀬 碧(春)、渡辺与布(夏)、奥田花純(秋)、中島春菜(冬)
道化:木下嘉人

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2022年のゴールデンウィークは、新国立の「シンデレラ」鑑賞で始まりました。

あちこちでコロナの制限が緩んだといっても、新国立劇場に関しては検温、消毒、来場者カードの記入が続けられていました。一階席は1~2列目が塞がれていましたが、見た感じでは9割くらい埋まっていました。

「シンデレラ」は何度か観ていますが、今回が一番よかったかも。最初観たときは、お姉さんたちのパワフルでコミカルな踊りと演技に笑ってしまいました。何回か鑑賞してみても、そのたびに新しい発見と感動があります(新国立に限らず、他のバレエ団でも得意演目では往々にしてあることです。例えば牧の「リーズ」あたりも私にとってはこの部類の演目です)

唯さんは1幕の滑らかなポワントワーク(お姉さんたちがドタバタしているからさらに可憐に見える)を始め、演技も踊りも絶好調です。そして井澤弟君(登場したとき、まさに「王子」でした!)とのパートナーシップも良好で、3幕で王子がシンデレラを見い出す場面はこちらまで幸福になりました。実は、今回の公演で一番心を打たれたのは3幕でシンデレラが手元に残った靴の片一方をみて「あれは夢ではなかった」と甘美な思い出にひたる場面です。ちょっと悲しいシンデレラの思いが、すぐに王子との再会によって恋が成就するまさにその瞬間、こちらも「ああ、よかった」と感激しました。

そして、唯さんと井澤弟君を始め、コールドバレエの一人ひとりがアシュトンの振付とプロコフィエフの音楽が体にしみこんでいました。

温かな気持ちで劇場を後にしたら、外は小雨で寒いです。できれば他キャスト(特に奥村君が「お姉さん」を踊る日)も鑑賞したかったです。

シンデレラ(新国立劇場公式サイト)

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