新国立劇場バレエ団『ライモンダ』(2021年6月12日、新国立劇場オペラパレス)

プロローグ付き全3幕

スタッフ
振付:マリウス・プティパ
改定振付・演出:牧 阿佐美
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
美術・衣装:ルイザ・スピナテッリ
照明:沢田祐二
指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

主なキャスト
ライモンダ:木村優里
ジャン・ド・ブリエンヌ:井澤駿
アブデラクマン:速水渉悟

ヘンリエット:五月女遥
クレメンス:廣川みくり
ベランジェ:浜崎恵二朗
ベルナール:中島瑞生

ワルツファンタジア
第1ヴァリエーション:渡辺与布
第2ヴァリエーション:廣田奈々

グラン・パ・クラシック
ヴァリエーション:池田理沙子
パ・ド・カトル:中家正博、原健太、浜崎恵二朗、中島瑞生
パ・ド・トロワ:中島春奈、廣田奈々、横山柊子

ドリ伯爵夫人:本島美和
アンドリュー二世(ハンガリー王):貝川鐡夫

ライモンダ (Wikipedia日本語版)

ライモンダ (新国立劇場バレエ団公式サイト)

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終演後数時間どころか10日近く経過しても、『ライモンダ』の彩り豊かな音楽が身体の隅々まで満たしてくれているようです。良い演出、良いダンサーに加えてオケもバクラン氏の指揮に応えて健闘していました。

物語に登場するハンガリー王アンドリュー二世は、12世紀-13世紀に実在した人物です。

アンドラーシュ2世 (ハンガリー王)

王の治世には第5回十字軍のことが出てくるので、物語の舞台は1217年 - 1221年となります。ちなみに、ジャン・ド・ブリエンヌという同名の人物が実在しているものの、生没年から推定すると些か年を取りすぎているような;;(独自研究w)

『ライモンダ』全幕は、牧のヴァージョンしか観たことがありません。新国立(=牧阿佐美女史)の演出はアブデラクマンを単純な敵役ではなくサラセンの騎士として扱っていることが特に良いと思いました。(また踊り演じた速水君が舞台上に躍動して魅力的でした)井澤弟君が光り輝く「白の騎士」ならば対する速水君は底光りするような「黒の騎士」、対照的な魅力を持つ2人に求愛されるタイトル・ロールの木村優里さんが可憐で魅力的でした。

最終幕でのライモンダのヴァリエーション(両手を打ち合わせるポーズが有名)は、客席後部に聞こえるくらいの音を立てていました。(ダンサーによっては、手を打ち合わせるだけでほぼ無音の人もいます。どちらが正しい、というわけではなさそうです)

新国立のマスターピースとして、2-3年に1度は上演してもらいたい素晴らしい舞台でした。良い舞台を鑑賞できて本当に幸せでした。

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