「エトワールへの道程2017 新国立劇場バレエ研修所の成果」(2017年2月12日、新国立劇場中劇場PLAYHOUSE)

指揮:デヴィッド・ガルフォース
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
司会進行:佐藤和(新国立劇場演劇研修所第11期生-2015年入所)

第1部
『Space that leads』
音楽:リヒャルト・ワーグナー(タンホイザー序曲)
振付:貝川鐵夫(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)
全員出演
映像~研修所の日々~第12期生を中心として(約10分)
『ラ・シルフィード』第2幕より パ・ド・ドゥ
音楽:ヘルマン・ルーヴェンシュキョル
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
シルフィード 
杉山澄華
ジェームス  
江本 拓(ゲスト、新国立劇場バレエ団登録ファースト・ソリスト)
『白鳥の湖』第3幕より
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
原振付:マリウス・プティパ
オディール   
赤井綾乃
ジークフリード王子 
マイレン・トレウバエフ(ゲスト、新国立劇場バレエ団登録プリンシパル)
王妃
西川貴子
ロートバルト  
田中俊太朗(ゲスト、元新国立劇場バレエ団)
パ・ド・カトル
伊東真梨乃、中島春菜、荒木研史郎、佐藤鴻
ナポリの踊り
丸山さくら、吉田邑那(ゲスト、谷桃子バレエ団)
花嫁候補(各国の姫君)
原衣梨佳、高井惠里、多田そのか、奈良岡美海、パーキンソン赤城季亜楽、山内優奈

休憩20分

第2部
『ドン・キホーテ』より抜粋
音楽:レオン・ミンクス
原振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ(元ボリショイ劇場芸術監督)
キトリ   
関 優奈
バジル   
酒井 大(ゲスト、谷桃子バレエ団ソリスト)
エスパーダ 
渡邊拓朗
街の踊り子
横山柊子
トレアドール
荒木研史郎、佐藤鴻、仲村啓、江本拓、田中俊太朗、吉田邑那
第1ヴァリエーション
長澤マリーヤ
第2ヴァリエーション
原衣梨佳
キトリの友人
伊東真梨乃、中島春菜、高井惠里、多田そのか
貴族
奈良岡美海、パーキンソン赤城季亜楽、阿部純花、山内優奈 

エトワールへの道程2017 新国立劇場バレエ研修所の成果

2月11日、12日の2日間行われた標記公演のうち、私は2日目を鑑賞しました。今回は新国立劇場バレエ研修所の第12期生6名の終了公演です。6名の内訳は女性5名(赤井、杉山、関、丸山、横山)、男性1名(渡邊)です。公演終了後の挨拶で渡邊君が「一人も欠けることなく修了公演を終えることができた」と感謝の言葉を述べていました。

研修生は入所時点で17-19歳(2年間の研修期間)、予科生は入所時点で15歳または16歳(2年間の研修期間)です。渡邊君などのように予科から継続の場合、4年にわたって研修所でさまざまなカリキュラム(バレエのみではなく、英語、マナー、茶道、美術史や身体解剖学などに至るまで)を学ぶことになります(映像でその一端が今回も紹介されました)。なお、舞台実習としてバレエ団の本公演参加や研修所公演への出演もあります。(研修所第13期生は女性5名、男性2名、予科生は第7期生が女性4名男性1名、第8期生は女性のみ2名)

毎年この時期に、研修所の修了公演が開催されます。オーケストラ演奏つきの本格的な舞台で、若い才能を見つけようという観客やずっと見守ってきた研修生たちの晴れ舞台を見届けようという観客などで、客席の雰囲気は暖かいものがあります(2階席は不明ですが、1階席はほぼ満員でした)。司会進行は新国立劇場演劇研修所の佐藤和さんという女性で、よく通る声で口跡のよい方でした。(昨年の司会進行は男性が務めていました)

最初の演目は、研修生全員によるコンテ(「タンホイザー序曲」を使用)で、女性は袖なしのグレーのレオタード、男性は同じくグレーのトップスに黒の短めボトムでした。コンテが苦手なので…かなりの部分で睡魔に負けてました(^^;)

次に研修所での日々を追った映像が上映されました。(今年の公演では、研修生たちが自分で振り付けた作品の披露がなかったです)

「ラ・シルフィード」のパ・ド・ドゥと「白鳥」の3幕、そして第2部の「ドン・キ」抜粋はセット付きです。「白鳥」の幕開けに踊られたパ・ド・カトルは使用曲(「パ・ド・シス」からアダージョとコーダ)もそうだけど、牧バレヱ団のウエストモ―ランド振付版とほぼ同じ振付だったような。(この公演ではアダージョとコーダのみでヴァリエーションはなし)各国の踊りは「ナポリ」だけです。

休憩をはさんで、「ドン・キ」の抜粋。1幕の街の踊り子とエスパーダ率いるトレアドールたちの場面と、3幕からグラン・パが上演されました。私が「ドン・キ」で一番好きなのが、1幕のこの場面(音楽もわりとよく書けていて非常にノリがいい)です。ここで一際目を惹いたのがエスパーダ役の渡邊君。手足が長くてスタイルのいいイケメソ君で、新国立劇場バレエ団の有望ソリスト(そしてイケメソの)渡邊峻郁さんの弟さんらしいです。(兄弟2人ともイケメソ…いいな。それって)グラン・パへの場面転換では、「ファンダンゴ」が演奏されて場をつなぎました。キトリを踊った関さんがコーダで見せたフェッテ(シングル2回のあとにドゥーブル?トリプル?1回を回っていたように見えました)の鮮やかさに感心しました。

公演の最後には、第12期生6名から挨拶が。感謝とこれからの決意などをそれぞれの言葉で述べ、つい父兄モードに入っていた私もちょっとうるっときました。6名の進路について、現時点ではまだわかりません。新国立劇場バレエ団入りするにしろそれ以外の道を選ぶにしろ、6名の前途に光があることを心から願っています。

前日に阿部裕恵さん(昨年の研修所修了生)が出演されてたのですが、それを観られなかったのがかなり残念。阿部さんは牧バレヱ団の『くるみ割り人形』DVD(2009年)でクララちゃん役を務めたのを始め、幼少時からの有望ダンサーなので、観ておきたかったのですが( 一一)

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