6月9日ソワレ
帰宅して顔を洗った後、PCに向かっております。
この前の「パリ・オペラ座ショック」(もろに被害?を受けた私)から漸く立ち直って観たここの「白鳥」は、オペラ座のよりずっとよかったです。
(オペラ座のヌレエフ版は陰々滅々たる演出で、振り付けもかなり個性的、興味深かったけど、主役途中交代アクシデント及び超高額チケットのせいで、後味が非常に悪かった。それにオケも…レベル低し。座付きオケでないのにあの超高値はぼったく…ゲホゲホ)
プログラムで芸術監督の三谷氏が「新人公演」と書かれていた通り、主役を始め初役に挑むダンサーが多くて、観てる私も(ちょっと保護者みたいな気分で)緊張しました。
コールド(白鳥たち)が2幕、4幕ともよく揃っていて、バレエブランの美を堪能しました。特に4幕後半は感動的でした。(塔婆←何故か中途半端に伏せてみる は、コールドが同じ場所でバタバタしてる動きが多いし、オペラ座は元芸術監督の振り付けが特殊すぎて、白鳥たちは重労働に見えた。どちらもダンサーたちの責任ではないけど)
オデット=オディールの伊藤友季子さん、どちらかと言えばオデット向きと思いましたが。(白鳥の女王と言うより白鳥の王女という感じの愛らしさです)
3幕のオディールも綺麗でした。(グラン・パ・ド・ドゥのコーダのフェッテは全てシングルで回り納めてました)
ジークフリート王子の京當侑一籠さんは(変換が難しいぞ、このステージネーム)タッパがあるし存在感もあります。舞台で映える容貌のお方です。(プログラムに載ってる写真より舞台の方がさらに男前)
二人とも初役のせいか、緊張していたようですが、初々しいいい舞台でした。
明日(もう今日になった…)は青山季可さん(やはり初役)と、逸見智彦さん(日本のダンサーの中では王子役が似合うお方の一人)の「白鳥」を観に行きます。(これも楽しみ)
6月10日マチネ
2日間ともいい公演で楽しませてもらいました。まあ細かいところでは突っ込みたくなる部分もありましたが。
本日のオデット=オディールの青山季可さんも初役、昨日の伊藤さんと同様、容姿に恵まれているので目の保養になりました。(ちょっと見た感じでは伊藤さんは清純可憐、青山さんはややコケティッシュでキュートかな?)
伊藤さんは白鳥の方、青山さんは黒鳥の方に合ってるように思えました。(今日の黒鳥のグラン・パ・ドドゥのコーダ、青山さんは前半シングルにダブルを混ぜ《ひょっとしたらダブルではなくトリプルだったか》、後半はシングルで華麗にフェッテを回り納めて大喝采です)
そしてジークフリード王子役では既に定評のある逸見智彦さんも、相変わらずノーブルで素敵な王子様です。(去年のジリアン&アンヘルのABTペアをゲストに迎えた『白鳥』で、1幕のパ・ド・トロワを踊った彼の方がアンヘル王子より遙かに身分が高そうに見えてしまったことも思い出した)
逸見さんってある角度から見ると、俳優の佐々木蔵之介さん(字合ってるかな?)に似てます。
本日の王妃様、坂西麻美さんは、相変わらず綺麗で演技やマイムも的確だけど、…王子と母子ではなく「姉弟」にどうしても見えてしまった…。(キャラクテールに専念させるなら、それはまだまだ早い気がする、勿体ない。昨日は3幕スペインのソリストで熟練の踊りを堪能させてくれたのに)
1幕のパ・ド・トロワは昨日の田中・佐藤・菊地組の方が出来がよかったです。(今日はちょっと男性の踊りが重かったように見えたので)
3幕のディベルティスマンは、両日とも楽しかったです。去年のABTゲスト公演では(確か)省略されていたパ・ド・カトルが復活したのが嬉しかった。そして「ナポリターナ」のパ・ド・ドゥは2日間とも若い男の子が頑張って踊ってて、可愛らしくて微笑ましかったです。(ここのナポリターナは、懐かしの岩本桂さんと根岸正信さんの名パートナーシップを未だに思い出すけど)
1幕の王子の友人たちや村人たちに、知らん名前と顔が増えてました。男性の平均身長が随分伸びて若返ったような。(一人飛びぬけて背の高い男の子がいた)
ここからは突っ込み。
演奏…金管が妙な音を時々出してました。指揮者の堤俊作氏は牧との付き合いが長いので、演奏自体はそれほど悪くなかったと思いますが。
コールド…4幕で多用される「右腕を顔の前にかざす」ポーズはあまり…。何度見てもそこだけ不調和な気がします。
あと、「2公演」だけでは少ないような。金・土があって日曜にやらないのは勿体ないかと。
つけたり。
会場にフランソワーズ・モレシャン女史がいて、終演後に牧阿佐美女史と何やら歓談なさってました。(モレシャンさんはよくバレエやダンスの会場でお見かけします)
追記:2006年のブログからです。文中で愚痴っているパリ・オペラ座の「白鳥」は主役のマリ・アニエス・ジロがプロローグのみ出てすぐに負傷、残りをエミリー・コゼットが踊ったあの舞台です。
(めったにない経験といえば確かにそうだけど、私はマリ・アニエスのオデット=オディールを観たかったんだぞ…)
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