ジョン・クランコ(注、振付家)の作品は今まで3作品(この作品も含めて)観ているのですが、一番感動的な作品でした。
このバレエは、プーシキンの有名な韻文小説を、クランコがチャイコフスキーの曲を使って脚色・振り付けた物語バレエの傑作です。(但し有名な同名のオペラからは曲を使っていない)
全三幕のグランドバレエですが、ちっとも長さを感じませんでした。
幕開け…ヒロインの夢見がちな文学少女、タチヤーナは、床に寝転がって本を読みふけってます。(踊り演じるマリア・アイシュヴァルトが愛らしいです)
そしてタイトルロールのオネーギンは、パリ・オペラ座からの客演、マニュエル・ルグリ。念願の役だったというだけあって、深い思い入れを感じる名演でした。
もうじき…オペラ座の定年に達してしまうとは…。
ただし、今日のレンスキー(オネーギンの友人で、多感な若い詩人)は顔が私の好みに外れてたんだよな…。別の日にキャスティングされてたフリーデマン・フォーゲルだともっとよかったのに。(ゴメンナサイ)
1幕のヒロインの憧れを表す情熱的なパ・ド・ドゥ(鏡を使った発想が今でも斬新)と、幕切れの懇願と拒絶のパ・ド・ドゥ…素晴らしかったです。
落ち着いた色合いの舞台美術と衣装も綺麗でした。(オネーギンは終始黒い衣装に身を包んでるのね。彼の虚無的な内面を表してるのでしょうか)
オーケストラも1幕では金管が妙な音を出してたけど、幕が進むにつれてよくなってきてました。(2幕であの『感傷的なワルツ』の断片が演奏されてちょっと嬉しかった)
終演後、ロビーで上野 水香さんを見かけました。(あ、雑誌や舞台で見るのと同じ顔だ)とアホな感想を抱いてしまった私です。
そして充実した気分で家路に着きました。今度は日曜に「ロミオとジュリエット」を観に行きます。
追記:2005年のブログからです。クランコ作品は「オネーギン」、「ロメオとジュリエット」、そして「じゃじゃ馬ならし」の3作品を観てますがやっぱりこれが一番好き。とりわけ2005年に観たこの公演は忘れ難いです。
2008年の「オネーギン」鑑賞記はこちら
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント