東京バレエ団「眠れる森の美女」(2005年8月19日ソワレ)

幕間にプログラムを捲りながら、(随分ダンサーが入れ替わったな)と思いました。
特に女性のソリスト以上がかなり。
リラの精をよく踊ってた遠藤さんや、フロリナ姫の佐野さんなどがいない…。
ユカリューシャや吉岡さんは今回は出番なしだし。
(別の日に井脇さんは出てたようですが)
本当は吉岡さんのリラと井脇さんのカラボスも見たかったです。

このバレエ団の「眠り」は、私が全幕で初めて見た「眠り」ですので、感慨はひとしおです。(但しスタンダードな演出とは言い難い面も多々あり)
一番の特徴(そして見所)は、カラボス(悪い魔女)をバレリーナがポアントでバリバリに踊りまくること。(普通は男性がマイムで演じるため、殆ど踊りはない)見せ場の多い踊りで、昨日も奈良さんがなかなかの好演です。ポアントの爪先が、まるで毒針みたいにシャープで。
何度見ても感心するのは、2幕大詰めの演出。明るい光に包まれたお城の庭園から、深い森に見る見る変わっていくのは、照明の効果もあって素晴らしいです。

但し、1幕、2幕はよしとしても、3幕はいただけません。曲を省略しすぎていて、幻影の場はやや唐突な感があるし、結婚式の場面では華やかさが薄れている気がしてなりません。
王子と姫が出会う「幻影」の曲、尻切れトンボな感じに聞こえるんですが。(ロマンチックで綺麗な曲なので勿体ないです)

前に見たとき(変なの)と思った、結婚式で姫と王子が長いヴェールを着用してるのはいいとして、何でリラの精までヴェールを着けてるのか、私には全く意味が解らなかったのですが、このところの公演ではそれは無くなってます。(これは改善と見ていいのでしょう)

さてダンサー。
上野さん、美しいプロポーションで相変わらずの華やかな踊りを見せてくれましたが、去年見た「ドン・キホーテ」のキトリの方がよかったかな?

王子様、マチュー・ガニオ、光り輝くような美青年の王子様です。ちょっとここの「眠り」の演出では王子様の見せ場が少ないのが勿体ない…。3幕のアダージョの、サポートでちょっと危なっかしいかな、とも思いましたが綺麗でした。

今回リラを踊った高木さん、まだ妖精の長の貫禄は出ていませんが、踊りは安定していました。今後も期待です。

フロリナ姫の小出さん、別の日にオーロラ姫も踊りましたが、(この人のオーロラも見たかった!)としみじみ思わせてくれました。可憐な美人で踊りもチャーミングです。

追記:2005年のブログからです。これは東バがかつて上演してたヴァージョンで、あちこち切り詰めすぎていて忙しない感が。結婚式のディヴェルティスマンも省略しすぎで豪華さが足りず、実にもったいないと思いました。

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