英国ロイヤルバレエ団「マノン」(2005年7月17日、ソワレ)

まさかシルヴィ・ギエムの舞台を観て、泣くとは…。いい意味で期待を裏切られました。
今まで沢山彼女の舞台を観て、感動することや驚嘆することはあっても、涙流すなどということとは無縁だったので。
「マノン」あらすじは知っている方も多いと思うので、いちいち説明まではいたしません。(美女マノンと彼女に魅せられた若者、デ・グリューの破滅へと突き進んでいく運命の恋物語です)
私は確か学生時代に一度読んだっきりですが、この有名な小説はオペラ(マスネー、プッチーニ)にも脚色されています。

タイトルロールのマノンを演じ踊ったギエム、以前はテクニックの突出が目に付きすぎましたが、最近はテクニックと表現が釣り合ってきて、見るたび新たな感動を齎してくれます。
彼女と恋に落ちる青年、デ・グリューのマッシモ・ムッル、最初見たときは、「優男」風にしか見えなかった(ゴメンナサイ)のが、このところとてもいい舞台を見せてくれてます。5月に見た「田園の出来事」のベリヤエフもよかったけど、昨日のデ・グリューも素晴らしかった…。繊細な面差しが、恋に悩む青年デ・グリューにマッチしてて。

このバレエには、美しいパ・ド・ドゥがいくつも出てくるのですが、やはり最後の「沼地のパ・ド・ドゥ」が圧巻です。バレエで絶望と極限をあそこまで表現できるとは…。振り付け(マクミラン)の力もさることながら、ギエムとムッルも凄かった。見終わって、涙を流しました。

…でもジョナサン・コープのデ・グリューも見たかった(苦笑)

あと、久しぶりにダフ屋のお兄さん(首都圏近辺のバレエファンなら多分知ってるあのお方)を見かけました。随分見なかったけど、生きてたのね(マテコラ)

追記:2005年のブログからです。最後の方で触れてるダフ屋のお兄さんというのは、ものすごくインパクトのある容姿のお方で、一度見たら…ある意味忘れられないです。
(「海坊主」とか「西郷どん」とかいろいろ言われてた)最近もとんと見かけないけど…?

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