パリ・オペラ座バレエ団「パキータ」(2006年4月公演)

本日と明日は、このバレエを(キャスト違いで)鑑賞に行ってまいります。
一部を残して失われていた古いバレエを復元した作品で、筋立てはわりに単純。(ヒロイン、パキータはジプシー娘。命を助けた青年士官と恋に落ちる。様々な障害を経て実は彼女が高貴な出自であると判明し、恋が成就する)

ピエール・ラコット氏(注・振付家)の作品は、「ラ・シルフィード」(これも昔のバレエの復元。1幕のパ・ド・トロワと2幕の妖精の森の場面が何度見ても素晴らしい)以外観てません。どんなものに仕上がってるのか興味は尽きないです。(確かルテステュ&マルティネスでDVDが出てたはず。面白かったら購入してみようかな?)

(2006年4月29日、マチネ)

やっぱりマチュー・ガニオで観たかったな、とつくづく思いました。
マチューの代役、ジェレミー・ベランガールは以前の牧のゲストで踊った「ノートルダム」のカジモドや「デューク・エリントン・バレエ」での踊りは素晴らしかったので期待してたのですが、ちょっと体が絞れてないような。

タイトルロールの「パキータ」を踊ったドロテ・ジルベールは、実に愛らしく新鮮な輝きがあってよかったです。「第二のモニク・ルディエール」と言われてるそうですが、確かにそう言われるのも納得できます。

そしてイニゴのカール・パケットが本日もいい存在感を魅せていました。

演奏については…悲惨でした。1幕の場の転換を繋ぐ間奏曲で、金管が全然ダメ、メロディーになってません。(近くの席から失笑さえ聞こえました)そしてフィナーレの曲で、出だしをとちった奏者も…。(それでも1幕より2幕の方がまだましでした)

有名なグラン・パは女性ソリストのヴァリアシオンを省略し、パキータのヴァリアシオンも全く違う曲でした。(ドロテ、最初から最後まで好調でした)

本日は追加で買ってしまった上階の席で観覧しました。何だか近くで「頭の上に何か降ってきた」と騒ぎになっていましたが。(後でわかったが、オペラグラスのケースを落とした人がいたらしい)

…ルグリ降板の正式発表がNBSサイトにupされてる。何で私の行く日ばかり代役だらけになるんだ…。(明日もジェレミーなのね、リュシアン役は)

(2006年4月30日マチネ)

来日公演の千秋楽です。現在のオペラ座での人気ペア、オーレリー・デュポンとマニュエル・ルグリの共演を楽しみにしてたのですが、まあ事情が事情だし、これは致し方ないですね。

開演早々、仕掛け幕が凄まじい音を立ててました…。(寿命が縮むかと思った)本日は演奏も(昨日よりは)よくなってます。昨日悲惨だった場面転換のホルンの長いソロは、とりあえずメロディーに聞こえたし。

オーレリーはまさに花盛りの美しさ、オペラ座の看板エトワールに相応しい輝きです。昨日のドロテは綻び始めた花の莟の初々しさで、これもよかったですが、貫禄と主役オーラでオーレリーの完勝。グラン・パのコーダ、フェッテは前半シングル・シングル・ダブル、後半シングルで華麗に魅せてくれました。(最後だけちょっと不安定だったかな?)

ジェレミーは、昨日よりよかったです。(グラン・パのヴァリアシオンで、手を一瞬ついたけど)顔は綺麗だし、もう少し下半身(特にお尻~太腿辺り)が絞れればさらによくなりそう。

そして今日もイニゴのカール・パケット。1幕しか出てこないのがかなり勿体ない…。(プログラムのレパートリーを見ると、リュシアンも踊ってるのね。それも観たかった)

あと、1幕パ・ド・トロワのエマニュエル・ティボーが実に愛らしく、踊りも清々しくて観てて快いです。

プログラムを見ていて毎回思うのですが、来日メンバー以外まで載せてるのはどうかな、と…。(エトワールクラスでも、マチュー、バール、ベラルビ、ピュジョルが来日してない)ちょっと紛らわしいですから。まあ在籍者確認の意味ではいいのかもしれませんが。
今回も(プログラムに名前があるのに)ミテキ・クドーの出番がなかったような。(注:以前資生堂及びネスレのCMに出ていた日仏ハーフの美人バレリーナ)

来日しているかどうかまで、このプログラムの記載では確かめようがありませんから。

それからプログラムのプロフ写真で、あまりにも気の毒な人が(誰とは言わんけど)いました。(もう少しましな写真を選んでほしかったです。この前のシュトゥットガルト・バレエ団でも同じことを思いました…)

次はできれば(ヌレエフ版ではない)白鳥の湖と、バランシンなどのミックスプログラムが観たいです。ヌレエフ版の作品なら、「ラ・バヤデール」か「ドン・キホーテ」なら喜んで観に行きますけど。

追記:2006年のブログからです(4つの記事を1つに再構成)。この年のパリ・オペラ座公演ではキャスト変更の被害をもろにかぶったので、文句を言いまくっております(苦笑)「パキータ」を観ることができたのはよかったのですが、「1度観れば十分」という部類の作品だったような。

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