ベルリン国立バレエ団「ニーベルングの指環」(2005年6月24日)

只今25日午前0時15分。先ほど帰ってまいりました。夕飯食い損なった(何せ開演が午後5時…)だったので、顔を洗って、ヨーグルト食べてからこのブログを書いております。

有名な大作ですが、オペラで鑑賞された方はあまりいないのでは…と(私も見ていません…)。何しろ上演に4晩(四部作ですから)かかる上、オペラはチケット代が…。
国内で見るにしても「6桁」の出費を覚悟すべきかも。
(ちなみに、来年1月に来日公演を行うマリインスキー・オペラ《有名なゲルギエフ氏が指揮》は4作通しのS券が16万8000円《!!》だとか)

でも、第2作「ワルキューレ」に出てくる「ワルキューレの騎行」と言う曲だけは、恐らく多くの方が耳にされているはずです。ヘリコプターが飛ぶ映像とともに。(『地獄の黙示録』byF・コッポラ)

ストーリーをごく簡単に言うと、ラインの水底に眠る黄金から作られた、偉大な力を持つ指環と、それを巡る神々、巨人族、小人たち、そして人間の争いと、様々な愛憎が織りなす物語です。

ピアノ生演奏(エリザベット・クーパー女史、巧い!)とテープでのオペラ曲演奏で物語が進行し、ストーリーは「弁者」と呼ばれる進行役が登場人物の台詞を語り、字幕がさらに理解を助けます。(登場人物が多い上に、話が入り組んでるのですが、字幕などのお陰で解りにくくありませんでした)

で、踊り手。全編に渡って活躍する火の神「ローゲ」を演じ踊ったのは、ウラジーミル・マラーホフ。猫のようなしなやかさと、些か妖しいコケティッシュな魅力で、素晴らしかったです。この前観た「ラ・バヤデール」のときより調子が良かったのかも。

そして戦乙女「ワルキューレ」の一人で、やがて英雄ジークフリートと恋に落ちる「ブリュンヒルデ」はナディア・サイダコワ。きりっとした意志的な顔立ちの美人で、ワルキューレのコスチュームがよく似合いました。(でも本当は、日曜日のディアナ・ヴィシニョーワがブリュンヒルデを踊る回を見たかったです。チケット第二希望しか取れなんだ)

勿論、二人の他にも素晴らしい踊り手が沢山です。

舞台装置や衣装は、時代や国を特定するような要素はかなり排されていました。(それらしいのは、2幕以降に出てくる神々やワルキューレくらい)

フンディング(ジークリンデの夫)は「黒シャツに白ネクタイ」のまるでマフィアメンバーみたいな格好だし、ジークフリートは普通のシャツにズボン姿。

極め付きは人間の一族「ギービッヒ家」。
女主人の「グリムヒルデ」は赤いドレスに片足がトウシューズ、もう片足に真っ赤なハイヒールという頽廃と倒錯の塊のような女性、ヘアスタイルやメイクはまるで「ルイズ・ブルックス」です。

ともあれ、長丁場(休憩25分を入れて約4時間45分)でしたが、大いに楽しませていただきました。素晴らしい舞台をありがとうございました。

追記:2005年のブログからです。この頃は全くの健康体だったため、このような長ーい作品でも問題なく鑑賞していました。…今の不健康な私では(以下省略)

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