もうこれ以上怪我人やらキャスト変更やらがないことを祈りつつ、観に行ってきます。
超大型エトワール(身長も高いが肩幅も広く、バレリーナと言うよりアスリートか水泳選手を思わせる、でも美形)マリ・アニエス・ジローの踊りが楽しみです。
彼女の踊りで強烈だったのは、以前牧の「ピンク・フロイド・バレエ」で魅せた「RUN LIKE HELL」(だったよな、確か)あの1シーンだけの出演だったのに、未だに鮮烈です。
当日は開演前から波乱の予兆が…。山手線が大幅にダイヤが乱れていたため、開演が約10分遅れました。
そして、(私が今回の来日公演で一番見たかった)主役のマリ=アニエス・ジローがプロローグ部分(開演から10分も経ってない)で激しい筋肉痛のために交代。プルミエの「エミリー・コゼット」が最後まで踊りきりました。(急な代役だったのに、これは立派だった)
もっとも急すぎたために、プログラムでは彼女のプロフは顔写真だけしか載ってなかったけど。(今回は怪我人だらけだな、本当に)
ヌレエフ版の『白鳥』は悪魔ロットバルトの比重が大きく、些か妖しく陰鬱な雰囲気のある作品です。美術や衣装もよく言えばシックで控えめ、悪く言えば地味…。(3幕の舞踏会で特に顕著、『スペイン』の衣装が地味すぎてどこの国だか最初わからんかった)
ロットバルト=家庭教師の二役を踊り演じた「カール・パケット」もなかなかよかったです。
あと、2幕の湖畔の場面で、白鳥の一人がかなり派手に転んでたけど、あれ大丈夫だったのかな…。(白鳥の振付も妙で、上体を前に倒しながら速足で舞台上を駆け回る重労働そうなわりに美しくも何ともない動きが多用されてたのに疑問)
そういえば、以前別のバレエ団の公演で、アレッサンドラ・フェリが休演したときは、(開演前に決定してたので)全員に1000円の払い戻しがあったことを今思い出しました。
今回のアクシデントは開演後だったから、そういうのは無理だろうな。
王子役のジョゼ・マルティネス、相手役交代にも関わらず落ち着いていて、安心して観ていられました。家庭教師=ロットバルトのパケットとの男同士のパ・ド・ドゥは、二人の力関係や家庭教師の陰謀など、いろいろ陰にあるものを感じさせてくれて、非常に楽しく観ました。(だから余計、ジョゼとマリ=アニエス・ジローのオデット=オディールとの踊りも観たかったけど)
それから、オケが不調だったような。(ヌレエフ版は通常の白鳥と違う曲が入ってるけど、それだけが理由ではないと思う)
特に「ナポリ」ではトランペットの聴かせどころが…駄目。音色が濁ってるし、歯切れも悪い。あそこは溌剌と、メリハリのある輝かしいメロディーを奏でてほしかったです。
追記:2006年のブログからです(3本の記事を1本に再構成)。
この年はアクシデントによるキャスト変更に泣かされた年で、マチュー観たさに「パキータ」を2公演分買ったものの…(以下省略)という悲劇wも。(同年のボリショイ公演でも同じくキャスト変更に悩まされました)
「パキータ」については、後日アップしなおします。
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