篠つく雨の中を、はるばる五反田ゆうぽうとまで行ってきました。(先週も行ったばかりだけど)
この作品は前にも観たけど、観るたびに新たな感動がある作品です。最近のモーリス・ベジャール氏の作品では、一番好きなのです。
休憩なし、約2時間弱のステージは、クイーン(ヴォーカルのフレディ・マーキュリーが夭折)とモーツァルト(説明不要)の音楽に乗せてスピーディに展開します。
死の匂いを濃厚に漂わせた場面があるかと思えば、「Radio Ga Ga」や「シーサイド・ランデヴー」のような楽しい場面もあり。
スタイリッシュで華麗な衣装は、故ジャンニ・ヴェルサーチの作。カラフルな衣装も多かったけど、観終わった後での印象は「輝くような白」です。(最初のシーンから白が多く使われてる)
ダンサーでは、特にカトリーヌ・ズアナバールがよかったです。(ボーン・トゥ・ラヴ・ユーなど)よく知られたあのメロディーに乗って、艶やかな褐色の肌の彼女が躍動してました。
それに比べると、今回の「フレディー」役のダンサーは前回のジュリアン・ファヴローより印象が薄いです。
但し一番素晴らしかったのは…「ブレイク・フリー」のシーンでフィルム出演した、故「ジョルジュ・ドン」でした。(引き込まれて観てるうちに、涙が出てきて止まらなくなった)
カーテンコールでは、来日直前にドクターストップのかかったベジャール氏の代わりに、ジル・ロマン(ダンサー兼カンパニーの副芸術監督、今日は踊らなかった)がダンサーたちを引き連れて出てきました。
(ベジャール氏って、そういえば80歳目前だった…。まだまだお元気でいてほしいので、くれぐれも無理はなさらずに。でも東バに振り付け予定だった『今日の枕草子』は結局どうなったんだろうか)
フレディ、モーツァルト、ドン、そしてこの作品の初演後(1997年)に不慮の死を遂げたヴェルサーチ…若くして亡くなった天才たちへの鎮魂歌は、生きている私にも勇気と感動を与えてくれました。素晴らしかったです。
ジョルジュ・ドンの生の舞台を観る機会がなかったのがつくづく残念です。彼は死後10年以上経った今でも、最高のベジャール・ダンサーです。
私の席は、ちょっとセンターから外れてたので「Radio Ga Ga」のシーンで衝立(?)みたいなのが出てきたら、その中で何が踊られていたのか一部見えませんでした…。
追記:2006年のブログからです。ベジャール氏の熱心なファンとまでは言えない私ですが、後期の作品ではこれが一押し。何回か観る機会があり、そのたびに涙を流してました。(虹の橋の向こうで、ジョルジュ・ドン氏と再会できたかな…)
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