ボリショイ・バレエ&マリインスキー・バレエ合同ガラ公演 ロシア・バレエのスターたち(2007年8月30日ソワレ、新国立劇場オペラ劇場)*芸術劇場(2007年10月5日)放映分の感想を含む。

管弦楽 東京ニューシティ管弦楽団
指揮  パーヴェル・ソローキン(第一部)
    アレクサンドル・ポリャニチコ(第二部)

プログラムA

第一部 ボリショイ・バレエ

≪エスメラルダ≫
<プティパ振付/ドリゴ音楽>
エカテリーナ・クリサノワ&ドミートリー・グダーノフ

≪マグリットマニア≫
<ポーソホフ振付/ベートーヴェン音楽>
ネッリ・コバヒーゼ&アルテム・シュピレフスキー

≪海賊≫より奴隷のパ・ド・ドゥ
<プティパ振付/ドリゴ音楽>
ニーナ・カプツォーワ&アンドレイ・メルクーリエフ

≪ジゼル≫
<コラーリ振付/アダン音楽>
スヴェトラーナ・ルンキナ&ルスラン・スクヴォルツォフ

≪ファラオの娘≫
<プティパ,ラコット振付/プーニ音楽>
マリーヤ・アレクサンドロワ&セルゲイ・フィーリン

≪パリの炎≫
<ワイノーネン振付/アサフィエフ音楽>
ナターリヤ・オシポワ&イワン・ワシーリエフ

第二部 マリインスキー・バレエ

≪ばらの精≫
<フォーキン振付/ウェーバー音楽>
イリーナ・ゴールプ&イーゴリ・コールプ

≪ヴェニスの謝肉祭≫(サタネラ)
<プティパ振付/プーニ音楽>
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ&ウラジーミル・シクリャローフ

≪3つのグノシエンヌ≫
<マネン振付/サティ音楽>
ウリヤーナ・ロパートキナ&イワン・コズロフ

≪ディアナとアクテオン≫
<ワガーノワ振付/ドリゴ音楽>
エカテリーナ・オスモールキナ&ミハイル・ロブーヒン

グラン・パ・クラシック
<グゾフスキー振付/オーベール音楽>
ヴィクトリア・テリョーシキナ&アントン・コールサコフ

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
<バランシン振付/チャイコフスキー音楽>
アリーナ・ソーモワ&アンドリアン・ファジェーエフ

≪瀕死の白鳥≫
<フォーキン振付/サン=サーンス音楽>
ウリヤーナ・ロパートキナ

≪ドン・キホーテ≫
<ゴールスキー振付/ミンクス音楽>
オレシア・ノーヴィコワ&レオニード・サラファーノフ

特に私が気に入ったのは、「パリの炎」のワシリーエフ、「グラン・パ・クラシック」のテリョーシキナ、「ドン・キ」のサラファーノフ、そして勿論ロパートキナです。
ワシリーエフはダイナミック、テリョーシキナ(なかなかの知的美人)の素晴らしいバランス感覚、サラファーノフは目が覚めるような踊りで、ロパートキナはもう入神の域に達してます。(パートナーのコズロフも見た目よし、サポートもよし)
サラファーノフは髪型(妙に短くておデコ丸出し)のせいか、骨格がもともとそうなのか某赤塚漫画のデコッパチに…(以下省略)

「エスメラルダ」は、幕開けの演目ということで、ダンサーの緊張がこちらにも伝わってきました。(クリサノワ着用の黒のボディーにモスグリーンのチュチュがおしゃれで綺麗でした。踊り自体は…以前ヤンヤン・タンの舞台を観てしまってるので、あれに比べてみると相当分が悪いです)

シュピレフスキーは…見た目はなかなかの美丈夫なんだけど、今回の演目はただ相手を支えてるだけに見えてしまいました。(衣装もサスペンダーにズボンで冴えなかった)コバヒーゼは太腿の付け根までスリットの入った大胆なロングドレスの衣装で、非常に美脚です。そして音楽がプリセツカヤのかつての名舞台「イサドラ」で使われてたベートーヴェンの曲を編曲したものだったんで、ちょっと懐かしかったです。

メルクーリエフは着地などが静かで好印象だけど、奴隷商人のアクの強さが出るとさらによかったかと。

「ファラオ」は全幕だと見所沢山の楽しいスペクタクルバレエだけど、抜粋だとあまり面白くないような。(アレクサンドロワとフィーリンには「ラ・バヤデール」のガムザッティとソロルのパ・ダクシオンあたりか「ライモンダ」などを踊って欲しかったし)

「ヴェニス」を踊ったシクリャローフが、甘くて清潔感の漂うなかなかのハンサム君で眼福でした♪(相手役が不安定だったし、本人も詰めでミスが出てしまってかなり気の毒でしたが)

「グラン・パ・クラシック」は今まで数多く観てきたけど、その中でもトップクラスのパフォーマンスだと思いました。(私が観た中で最高だったのはシルヴィ・ギエムがローラン・イレールと組んで以前世界バレエ・フェスで踊ってくれた舞台と、エリザベット・プラテルとニコラ・ル・リッシュが踊った舞台でした)

最後は楽しいフィナーレとカーテンコール。
舞台の中央に仲良く集まってくれたダンサーたちに大拍手です。
実に楽しい気持ちで家路につくことができました。

充実した舞台だったけど、ちょっとだけ不満も。
夏真っ盛りのせいなのか、ヴァカンス帰りなのか、日焼けっぽい肌色のバレリーナが混じってたのがかなり気になりました。(コンテンポラリーならまだしも、クラシック系統には絶対似合わない)

ここからは、NHKが「芸術劇場」で放送してくれたときの記事です。

早くもテレビ放映とは(嬉しいけど)
しかもAプロだった♪
(日にちは違うけど私もこのプログラムを観に行ってたし)

感想は以前書いたのと重複しそうなんで敢えて書きませんが、少しだけ書き足します。

インタビューに答えてたアンドリアン・ファジェーエフが、若い頃のマラーホフによく似てました。
(そしてマリーヤ・アレクサンドロワは女優のサンドラ・ブロックに似てる)

それからボリショイ版の「海賊」のパ・デスクラブ(奴隷の踊り)は奴隷商人と囚われの美女の踊りではなく、奴隷同士の踊りらしいです。(そういうことならちょっと淡白かと思ったメルクーリエフの演技も納得が行きます)

*追記:2007年のブログからです。昨日、シクリャーロフさんの記事を執筆したんでこちらにも載せてみました。(当時はまだ若かったせいかちょっと気の毒な舞台でした…)

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