招待券が当たったので、午後お休みを頂いて行ってまいります♪
演目は「海賊」、日本のバレエ団で全幕上演を行ってるところは知らないのですが。(かなり無理のあるストーリーだが、異国情緒に溢れた踊りが魅力的)
「海賊」といえば、かつて熊川さんの踊った舞台(パ・ド・ドゥのみですが)を一番最初に観てしまったので、あれが刷り込まれてしまって。
さらにとどめはファルフ・ルジマートフの踊るアリ。(あちこちで書かれてるのでくだくだしくは書かないでおきます)
バレエ「海賊」と聞くとこの二人をすぐに思い出してしまいます。
音楽:アドルフ・アダン,チェーザレ・プーニ,レオ・ドリーブ
リッカルド・ドリゴ,パーヴェル・オリデンブルクスキー
振付:ピョートル・グーセフ
原台本:アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ
ジョゼフ・マジリエ
台本改訂:ユーリー・スロニムスキー,ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ
デザイン補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮:アレクサンドル・ポリャニチコ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
出演
コンラッド (海賊の首領):エフゲニー・イワンチェンコ
メドーラ (ギリシアの娘):ウリヤーナ・ロパートキナ
ギュリナーラ (ギリシアの娘) :オレシア・ノーヴィコワ
ランケデム (奴隷商人):ミハイル・ロブーヒン
ビルバント (海賊):ドミートリー・プィハチョーフ
アリ (海賊):イーゴリ・ゼレーンスキー
セイード・パシャ (トルコ総督):ウラジーミル・ポノマリョーフ
フォルバン:エレーナ・バジェーノワ
ポリーナ・ラッサーディナ
リーラ・フスラーモワ
イスロム・バイムラードフ
アンドレイ・ヤーコヴレフ
オダリスク:イリーナ・ゴールプ
ダリア・スホルーコワ
エカテリーナ・オスモールキナ
アルジェリアの踊り :エレーナ・バジェーノワ
パレスチナの踊り:ガリーナ・ラフマーノワ
バイロン卿の有名な詩から着想されたそうですが、登場人物(の一部)を借りただけで、ストーリーは荒唐無稽というか出鱈目というか…。(それ以外の形容が思いつかない)
早い話が、懐かしきRPG「ロマサガ」のシナリオにあった「ハーレム」イベントにそっくりですわ(マテ)
で、あらすじを舞台に沿って説明すると、
プロローグ
荒海での海賊たちの苦闘と難破。難破した船は海岸へ打ち上げられる。
第一幕
海賊たちと娘たちが出会い、首領のコンラッドと娘の一人、メドーラが恋に落ちる。だが、娘たちは奴隷商人ランケデムに手引きされたトルコの軍隊に誘拐される。(第一場、ギリシャの浜辺)
誘拐された娘たちは、奴隷として市場で競売に掛けられる。メドーラの友人、ギュリナーラはその美貌を認められてトルコ総督、セイード=パシャに競り落とされ連れて行かれる。
メドーラもあわや売り飛ばされそうになったところを、商人に化けた海賊たちに救われ、ランケデムも人質として海賊に連れて行かれる。パシャは切歯扼腕するがなすすべもない。(第二場、奴隷市場)
第二幕
海賊たちは大量のお宝と戦利品を携えて意気揚々と凱旋し、祝宴が繰り広げられる。コンラッドと彼の腹心のアリ、そしてメドーラは華麗に踊り、彼女の美しさは場の人々を魅了する。
娘たちはメドーラを通して故郷に帰してくれるように懇願する。コンラッドはその願いを聞き入れようとするが、仲間の一人、ビルバントとその一味は強硬に反対する。
そこへ付けこんだのは人質の身となったランケデム。彼はビルバントを言いくるめ、メドーラを騙して眠り薬入りの花束をコンラッドにまんまと渡すことに成功してしまう。
そしてメドーラはまたも攫われてしまう…。(海賊たちの洞窟)
第三幕
ハーレムでは、ギュリナーラの美しさをパシャが愛でている。新たに連れてこられた女奴隷はいずれもパシャのお気には召さない。だが、若き美女ぞろいの「生ける花園」の中にメドーラが連れて来られると、際立った美貌にパシャは大喜びで彼女を買い取る。
海賊たちは参拝者に化けて宮殿に入り込み、隙を見て娘たちを解放する。(セイード=パシャのハーレム)
エピローグ
海賊たちは再び大海原へと乗り出し、その船上にはコンラッドとメドーラ、そしてその仲間たちの姿があった。
…自分の言葉であらすじを書き記してみましたが、何か疲れました(苦笑)まあ、場面の転換に富んでいるし、異国情緒ふんだんですからスペクタクルとしては面白かったのですが。(3幕の「生ける花園」の噴水がすばらしく綺麗だったし、嵐の海の場面も迫力満点)
次は踊り手。
コンラッドを踊り演じたイワンチェンコが凛々しくて素敵だったです。(但し海賊の首領というにはあまりにもノーブルで王子様っぽいが)
商人に化けて奴隷市場から娘たちを救い出すシーンで、海賊の正体を現すところが実にかっこよかったです。
長くてしなやかな脚のラインを存分に堪能させてくれた踊りも綺麗でした。(野性味には欠けるが舞台映えがする容姿だし)
ヒロインのメドーラはこのバレエ団を代表する(そしてロシアバレエを代表する)プリマの一人、ロパートキナ。
有名なパ・ド・トロワ(よくガラコンサートなどでパ・ド・ドゥとして上演されるあれ)の彼女は、紫のチュチュが映えてカトレアの花のようにゴージャスに美しかったです。ヴァリアシオンのイタリアンフェッテ(だっけ?)連続の最後でちょっとバランスを崩したように見えましたが、魅惑的な主役振りでした。
コンラッドの配下、アリを踊り演じたのはゼレーンスキー。(私は彼の踊りが好きなんで、結構観ている)
貫禄と存在感がありすぎて、配下には見えない(?)というところを差し引いても、高いジュテやダイナミックな回転などは健在で大拍手です。
ギュリナーラとランケデムの「奴隷の踊り」も見ごたえがあったし、コールドは美人揃いで目の保養になりました。
追記:2006年のブログからです(2つの記事を1つに編集)。『海賊』について日本ではその後、Kバレエカンパニーが全幕をレパートリーに入れてます(未見)
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