モーリス・ベジャールバレエ団「愛、それはダンス」(2006年6月24日ソワレ)

入場時に配布されたキャスト表を一読してちょっとがっかり。
(何だ、今日もジル・ロマン踊らないのか…)
でも、開演前のアナウンスで嬉しい誤算です。
「ジルがティエリー・デバルの代わりに『プレルとバルバラ』を踊り、さらに『エレガンスをもって』のソロを追加で踊る」
今回の来日公演ではジルの踊りを観られないかと思ってたので、思わず大拍手です。

この作品は、かつてのベジャール氏の傑作のアンソロジー風ですが、ただのガラコンサートとは違い、作品の間に幕が下りることはありません。(1幕と2幕の間を除く)

暗転と、時にはいつの間にか次の作品に移っていることもある独自の構成で、ただの過去作品の抜粋・再現ではありません。

最初は傑作『春の祭典』終曲から始まり、「ロミオとジュリエット」(よく知られたプロコフィエフではなくエクトール・ベルリオーズの曲、ロミオは金髪の美青年ジュリアン・ファヴロー、ジュリエットは華奢で可憐なカテリーナ・シャルキナ)「ヘリオガバルス」…2幕最後にまた「春の祭典」終曲、そしてフィナーレは「バレエ・フォー・ライフ」から「ショウ・マスト・ゴー・オン」

ロミオとジュリエットが、狂言回しの如く何回か出てきて、最後はあの『生贄』となる…瞠目しました。

1幕最初の『祭典』は(やっぱり最後だけでなく全部見ないとつまらないかな…)などと思ってしまいましたが、2幕で漸く(そういうことだったか)と納得できました。

他にも「バレエ・フォー・ライフ」から「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」と「ピアノ協奏曲21番」が踊られました。
「ボーン~」は、エリザベット・ロスが踊りましたが、転倒…でも、それさえ瞬時に吹き飛ばすような彼女のカリスマ性溢れるダンスは凄かったです。(この前踊ったカトリーヌ・ズアナバールも甲乙つけがたくよかったです。表現ではエリザベット、技術的にはカトリーヌかな?)

他に印象深かったのは、「アレポ」で踊ったウィリアム・ペドロ。

「僕ハ男ノ子ダケド、トゥシューズデ踊レルヨ!」

と、ブロークン・ジャパニーズ(?)で宣言した後の軽やかでコケティッシュな踊り、実に上手かったです。

あと、前から観たいと思っていた「ヘリオガバルス」や白の袴めいたロングスカート(?)をつけた男性群舞「ルミ」なども素晴らしかったです。

今回は2演目とも存分に楽しませていただきました。素晴らしい公演をありがとうございました。

…世界バレエフェスに、ジルの他にも、ベジャール・バレエ団からどなたか出演してもらいたかったです。
(ジルが現役で素晴らしい踊りを魅せてくれてるのは無論嬉しいのですが)

追記:2006年のブログからです。確かこの年は「バレエ・フォー・ライフ」についても感想を書いていたはずですが…見当たりません??
(ベジャール氏の後期の作品では、クイーンなどの曲を使った「バレエ・フォー・ライフ」が感動的で好き。日本公演のたびにいそいそと観に行って、そのたびに涙を流しながら見る羽目に…)
見つかったら、後日アップしましょう。

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