バレエ・プリンセス~バレエの世界のお姫様たち(3月31日)

振付:伊藤範子(谷桃子バレエ団シニア・プリンシパル)
音楽:ニコライ・チェレプニン(白雪姫-バレエ『アルミードの館』より抜粋)、セルゲイ・プロコフィエフ(シンデレラ)、ピョートル・チャイコフスキー(眠れる森の美女)
宣伝画:萩尾望都
   
オーロラ姫:米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
白雪姫:木村優里(新国立劇場バレエ団ソリスト)
シンデレラ:池田理沙子(バレエスタジオDUO→新国立劇場バレエ団)
王子(シンデレラ):橋本直樹(元Kバレエ)
王子(眠り):浅田良和(元Kバレエ)
リラの精:長田佳世(新国立劇場バレエ団プリンシパル、元Kバレエ)
ヴィラン(王妃=老婆、継母、カラボス):高岸直樹:(元東京バレエ団プリンシパル)
青い鳥:二山治雄(2014年ローザンヌコンクール1位)

その他のキャスト&スタッフはこちら
http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/princess/index.html

(平日夜の公演はフルタイムで働いてる人間には…)などとぶつくさ言いながら、はるばる新宿文化センターまで出かけました。地下鉄線の延伸があったので、新宿ゴールデン街やら歌舞伎町やらを突っ切って歩く事態がなくなって大助かりですが。(昼間でもできれば歩きたくないんだよな、あの付近は)

きっちり仕事を済ませてから出発したので、会場に着いたのは開演時間の約10分前。(夕飯も食い損ねたw)チケットはソールド・アウトで、当日券は出ていませんでした。普段ノベルティーなどは買わないのですが、パンフレット (1000円也)の他にクリアーファイル(500円也)を購入。萩尾先生のイラストが美麗だったので。Tシャツ3500円も欲しかったのですが、どう考えても胸のサイズが合わんwのでやめておきました。(萩尾先生は、今回白雪姫の衣装原案も担当なさってます。宣伝画をもとにChacottが製作したとのことです)

幸いにして、近くの席にソーシャライトもいなかったです(2月の某バレエ団公演では、えらい目に遭ったww)。世間様は春休み中だから、客席に子供たちが多かったですね。ただし…妙に騒々しいおば…いや失礼、年齢を重ねた女性の方が近くにたむろしていて、オーヴァーチュア(眠れる森の美女から「パノラマ」)が会場に流れ出してもまだおしゃべりしていました。結構響く声質だったので…ちょっと気になりました。

この公演は、バレエ鑑賞普及啓発の一助を目的としてChacott(バレエ・ダンスウェアなどのブランド)が主催と企画制作にあたり、さまざまなバレエ団が所属の枠を超えて協力したものです。(パンフレットより一部抜粋)鑑賞経験の少ない子供たちや鑑賞初心者の大人にも楽しめるように構成され、(どうせ既存の寄せ集めとかだろww)などと思ってたベテラン鑑賞者(単に鑑賞数が多いだけだがwww)の私も十分に楽しませていただきました。

構成はプロローグ、エピローグつき2幕。1幕がプロローグと「白雪姫」、「シンデレラ」、2幕が「眠れる森の美女」→エピローグとなっています。バレエを愛する幼い少女「アン」がストーリーテラーとして登場し、物語が進んでいきます。(音楽は録音、あまり音質が良いとはいえなかったです)上演時間は休憩を含めて約二時間、9時前に終演しました。

以下、あらすじ。

第1幕
プロローグ
バレエスタジオでアンはお友達と一緒にバレエのレッスン中。レッスンが終わると、お友達はママが迎えに来て三々五々家路につきますが、アンのママはなかなか来てくれません。
アンはピルエットの練習を始め、やがてテーブルの上に置かれた本に目を留めます。一番上の本は、「白雪姫」…本を開くと、アンは物語の世界に誘い込まれます。
「白雪姫」
緑豊かな森の奥深く、可愛らしい7人の小人が仲良く暮らしています。意地悪な王妃(ヴィラン)の計略で森に取り残された白雪姫は小人たちに助けられて彼らの小屋で過ごします。
小人たちは白雪姫に「誰も家に入れてはいけないよ」と言い聞かせて仕事に向かいます。ただ一人残された白雪姫は今の境遇を悲しみ、小屋の中に戻ります。
そこに現れたのは、白雪姫の生存を知った王妃。王妃は物売りの老婆に身をやつし、毒リンゴを携えて小屋を訪ねます。老婆=王妃に騙されて毒リンゴを口にした白雪姫は倒れ伏します。
…ここまで読んでアンは怖くなり、続きを読むことができません。再びピルエットの練習を始めると、今度は別の本が目を惹きます。その本は「シンデレラ」
「シンデレラ」
父親に死に別れたシンデレラは継母(ヴィラン)と連れ子の姉たちに小間使い代わりに働かされ、いじめられています。
今日は王子様がお妃を選びために開く舞踏会の日。継母も姉たちもここぞとばかりにめかしこんで意気揚々と出かけますが、シンデレラは留守番です。
お城での舞踏会では王子の気を引こうと、継母と姉たちも加わって踊りますが、王子はどこか気乗りがしない様子です。そこへ道化が、まばゆいほどに美しい姫の登場を知らせます。それは、妖精の力で変身を遂げたシンデレラ。王子は一目で彼女を愛し、ともに楽しく踊ります。その様子に内心面白くないのは、継母と姉たち。何とか王子を振り向かせようとしますが、道化が上手く3人をあしらい続けます。
やがて、時限を告げる12時の鐘が響き渡ります。シンデレラはその場から逃げ去り、ガラスの靴片方のみが王子のもとに残されます。

ー休憩20分ー

第2幕
「シンデレラ」の本を読み終えたアンは、次の本を手に取ります。その本は「眠れる森の美女」-
「眠れる森の美女」
アンはヴィラン(カラボス)に襲われかけますが、リラの精の力がそれを退けます。リラの精は王子をオーロラ姫のもとに導き、王子のキスでカラボスの呪いは打ち破られます。
オーロラ姫と王子は結婚式を挙げることになり、「長靴をはいた猫と白い猫」、「青い鳥とフロリナ王女」、「赤ずきんちゃんと狼」など童話の登場人物などが祝福の踊りでお祝いします。
オーロラ姫と王子も華麗なグラン・パ・ド・ドゥを踊って、リラの精の祝福のもとで幸福な結末を迎えます。
エピローグ
本を読み終えたアンは、いつのまにか眠りについていました。やがてママがアンを迎えに来て、アンは目覚めます。アンの心の中には、本の中で巡り合ったプリンセスたちの幻が立ち代わり現れるのでした。・・・fin

メインのキャストは新国立とKバレエ色濃し。女性4人は全員新国立所属だし、男性はメイン以外でもK在籍経験者が。

実は二山治雄くんが目当てだったのですが、他にも見どころが多い公演でした。中でも高岸直樹さんの「一人三役」での名演に思わず笑いが…。この方は、私がバレエを見始めたころにはすでに東京バレエ団のスターダンサーでした。(「ザ・カブキ」とか「M」とかのベジャール作品、よく見たわな)タッパがある(確か身長186㎝)ので、女装してヒールのある靴やら高々とした羽飾りつきの帽子やらで扮装すると軽く2メーター超えしてるかも。中でもシンデレラの「継母」役でのパワフルな役作りが秀逸でした。(顔立ちがくっきりしてるので、かなり妖艶だったりする)振付・演出の伊藤範子さんも高岸さんの存在感に着目して振り付けたそうで、これは大正解です。私も(高岸さんってコメディもできるんだ)と新しい発見をさせていただきました。今まで観た中では「ドン・キホーテ」のバジルくらいだったんで。他にも二山くんとか「シンデレラ」の道化を踊った田村くんとか、踊れる男の子が結構いてそれも楽しませていただきました。

女性では観るたびに「あ、いいな」と思ってる木村優里さん。舞台映えする容姿(手足が長くて顔だちもお綺麗)で、登場するとそれだけで劇場内が明るくなるような。(これはバレリーナにとって重要な資質と思うが、意外と体現できてる人は少ないんだよな。あの若さでできてるのはそれだけで立派。ちと脱線するが草刈民代さんがそうだったけど、彼女は技術的に弱くてたまに「あちゃー」と思ってしまうことがあったし。

では舞台装置と衣装などについて。メルヘンとファンタジーの世界を巡る少女アンの旅は、バレエスタジオの一隅から始まります。基本のバーレッスンからプリエ、バットマン、ピルエットなど…。やがて舞台は「白雪姫」の世界へ。

緑豊かな深い森と小人たちの住む可愛い小屋は、まさしく童話の世界。白雪姫の衣装は先ほどちょっと書いた通り萩尾先生の宣伝画が原案です。ロマンティック・チュチュ(膝下長さの衣装で、ベル型と形容されるスカートが特徴。「ジゼル」、「ラ・シルフィード」などのロマンティック・バレエでよく見られる)で清楚なデザインのコスチュームでした。

次は「シンデレラ」。宮殿は敢えて写実を避けたファンタジックで軽快な空間で、そこを道化が縦横無尽に踊ったり継母とお姉さんたちが暴れまわったり。シンデレラは定番?のおんぼろ衣装(ねずみ色で本当に冴えない)から妖精の魔法によって輝くような美しい衣装に。こちらはオペラ・チュチュ(ロマンティック・チュチュとクラシック・チュチュの中間の長さと思っていただければほぼ間違いない)で谷桃子バレエ団(シンデレラはメッセレル版を上演)から借用したものだそうです。

最後は「眠り」。舞台は「シンデレラ」の軽快さとは一転してロココ調の本格的なデザイン。オーロラ姫の衣装はクラシック・チュチュ。(平皿状とかパンケーキ風とか形容される膝上の短いスカートが特徴。単に「チュチュ」といえばこれをイメージする人が多いかも)白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫それぞれの衣装はすべてChacott制作だそうです。

最後に子供たちの活躍についても触れておきます。ストーリーテラーの「アン」ちゃんを始め、子供たちの出番が多い作品でした。(お友達とか小人たちとかシンデレラの時の精とか)伊藤さんの振り付けは、子供たちにもしっかり活躍の場を与えていてしかも結構踊りが上手い子がいたので、私がたまに思う(まーた子供かよww)というひねくれた感情は起きてきませんでした。(小人たちの振り付けで、しっかりそれぞれのキャラクターが描写されてたのには感心です)

終演後、飯を食いそこなったので駅で「アボカドバナナミルク」をオーダーして飯代わりに。(すきっ腹だったので非常においしかったです)平日1回のみの公演ではもったいないな、などとパンフレットを読み返してしみじみ思いました。

以上、やたら長い上に雑多ではありますが「バレエ・プリンセス」の感想です。お読みいただき、ありがとうございました。

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